【医療事故と医療過誤について】
医療事故とは、医療現場で発生した人身事故の全てを包含する総称です。つまり、患者側に損害が生じた場合は勿論のこと、医療従事者側(医師や看護師等)に損害が生じた場合も含まれますし、また、損害が医療ミスによって引き起こされたものなのか問いません。
この医療事故の一類型として位置づけられるのが医療過誤です。
医療過誤とは、(1)医療過程における医療従事者の医療ミスによって、(2)患者側に損害が発生することです。
【医療訴訟とは】
医療訴訟では、医療過誤に当ること、すなわち、(1)医療従事者が職務上当然に負っている注意義務に違反していること(注意義務違反)、(2)医療ミスが原因で患者側に損害が生じたこと(因果関係)を立証し、医療従事者に対して損害賠償責任を請求します。
例えば、投薬量を誤った場合であれば、職務上の注意義務に違反したと言いやすいかもしれませんが、多くの場合は、当該医療機関に相応しいと考えられる医療水準に照らして適切な治療行為が行われたといえるか(注意義務違反の有無)、仮に適切な治療行為が行われていたら患者側に損害は生じなかったのか(因果関係の有無)等を立証しなければなりません。
しかし、医療機関側には各専門分野の医師が揃っているのに対し、患者側には医療行為に関する高度な専門知識が不足していますし、診療記録等が医療機関側で保管されており証拠が偏在しています。
そのため、患者や家族が病院側と直接交渉しても示談が成立するケースは少なく、かえって病院側との関係を悪化させてしまいかねません。
もし、医療事故、医療過誤かなと思ったら、すぐに専門の弁護士へご相談ください。医療トラブルは早い段階でご相談いただいた方が、柔軟な解決が図れるためより良い結果に繋がるはずです。